代表挨拶

 平素より格別のお引き立てを賜り厚く御礼申し上げます。2023年6月に社長に就任いたしました廣田でございます。

 2022年からの1年半を振り返りますと、世界の政治・経済・金融に極めて大きな動きがありました。
 政治面では、いうまでもなく、ロシアによるウクライナ侵攻をはじめとして国際情勢に大きな変化があり、経済・金融面では、歴史的な世界インフレの進行と欧米を中心とする金利上昇などがありました。

 米国関連では、「米CPI、40年ぶりの大幅な伸び」「米利上げ5.25%は2000年以降最速・最大」「米大手地銀の破綻相次ぐ」などのニュースが、為替関連では、「24年ぶりの円買い介入、32年ぶりの円安151円台、過去最大の円買い介入」などのニュースが耳目を集めました。

 こうした状況を背景として、日本の金融政策関連では、昨年12月のイールドカーブコントロール(YCC)の一部修正、今年4月の日銀総裁の交代、7月のYCCの柔軟化などがありました。

 また、日本の経済指標では、「CPI上昇率4.2%は、41年ぶり」、「賃上げ率3.80%は30年ぶり」などのニュースが注目されました。こうしてみると、昨年・今年が色々な意味でいかに大きな転換点にあるかを感じます。

 当社は1989年に金融機関の共同出資により設立され、主に金融機関に金利リスクのコントロール手段として円金利先物を提供するホールセール事業を開始しました。その後、2004年に株式会社化し、個人投資家にFXや株価指数などの証拠金取引を提供するリテール事業にも取り組んでまいりました。

 「バブル崩壊後、永らく低迷が続いた日本経済に大きな転機が訪れつつある」という認識にたって、公的なインフラとして、一層、金融機関や個人投資家の皆さまのお役に立てるように、取引の安全性・安定性の向上、商品ラインナップの拡充、取引制度の改善などに、役職員一同、誠心誠意取り組んでまいります。引き続き、一層のご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。



2023年10月
株式会社東京金融取引所
代表取締役社長
廣田 拓夫

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