東京金融取引所(以下、「TFX」という)は、金融商品取引法に基づき承認を受けた金融商品取引清算機関として、TFXに上場された商品の全てについて、清算業務を行っています。
取引証拠金は取引に係る債務の履行を担保するために、参加者又は投資家が清算機関に差し入れるものです。取引証拠金に不足が生じたときは、参加者又は投資家は定められた時限までに、追加で取引証拠金を預託しなければなりません。
金利先物等取引では証拠金額の算出にSPAN®を採用しています。SPAN®とは、Standard Portfolio ANalysis of risk を略したもので、米国の先物取引所であるCME(シカゴマーカンタイル取引所)が開発したリスクベースの証拠金算出方法及びシステムです。
SPAN®による証拠金計算の概要については、以下のファイルをご参照下さい。
【1】SPAN®PDF形式:366KB
SPAN®では、市場参加者のポジション、すなわちポートフォリオ全体でどのくらいリスクを抱えているかという観点から証拠金額を算出します。現在SPAN®は世界各地の主要な取引所で広く採用されています。 なお、CME SPAN®の詳しい情報は、CMEのウェブサイト(http://www.cme.com)をご参照下さい。
SPAN®は、CME(Chicago Mercantile Exchange Inc.)の登録商標です。SPAN®に関する全ての権利はCMEが所有し、金融取はその使用許可を受けています。いかなるもののSPAN®の使用に関しても、CMEは一切その責任を負うものではありません。
緊急証拠金とは、相場が一定以上の幅で大きく変動した場合、自己取引に適用する証拠金です。通常の証拠金は取引の翌日に預託されますが、緊急証拠金は金融取から追加預託の請求のあった当日中に預託しなければならない点で大きく異なります。緊急証拠金が発動される際には、午前11時30分頃に清算システムおよび取引システムを通して、取引参加者及び清算参加者にその旨のメッセージが通知されます。
この緊急証拠金制度により、金融取は未決済リスクの積上がりに対処しています。
取引所為替証拠金取引に係る為替証拠金基準額は、TFXが定める建玉を維持するために必要な金額(建玉1枚あたり)です。
具体的には以下をご参照ください。
取引所為替証拠金取引に関する証拠金及び未決済取引の引継ぎ等に関する規則 PDF形式:199KB
取引所株価指数証拠金取引に係る株価指数証拠金基準額は、TFXが定める建玉を維持するために必要な金額(建玉1枚あたり)です。
具体的には以下をご参照ください。
取引所株価指数証拠金取引に関する証拠金及び未決済取引の引継ぎ等に関する規則 PDF形式:199KB
TFXは、金融商品取引清算機関として、清算業務の基本的ルールを規則に定めています。TFXでは、顧客のポジション及び証拠金を保護するため、証拠金の分別管理制度を導入しており、清算参加者ごとに、自己分と顧客分の証拠金を区別しています。
顧客分の証拠金については、金利先物等取引に関してはオムニバス口座により管理しており、くりっく365及びくりっく株365では、顧客別に管理しています。金利先物等取引に係る分別管理制度については、以下のファイルをご参照ください。
【2】証拠金の分別管理制度PDF形式:203KB
値洗いとは、日々の価格の変動に応じて、取引参加者や顧客の保有している建玉にどの程度の損益(値洗い価格差)が生じているかを算出し、全ての建玉を日々の清算価格で時価評価するものです。
金利先物等取引では、値洗いの結果生じた差金をTFXと清算参加者との間で翌営業日に現金で授受します。
くりっく365及びくりっく株365では、値洗いの結果生じた差金がポジションの維持に必要な証拠金額(証拠金所要額)に反映され、証拠金所要額が預託した証拠金額を下回った(不足が発生した)場合は、追加で証拠金を預託する必要が生じます。
この値洗いにより、損失が累積することを防止しています。
ギブアップ制度とは、取引の執行と清算(証拠金および損益の管理を含みます)をそれぞれ別の取引参加者が行う制度をいいます。TFXでは金利先物等取引において、ギブアップ制度を導入しています。
顧客から注文の執行を依頼された取引参加者を注文執行取引参加者、成立した取引の清算業務を依頼された取引参加者を清算執行取引参加者と呼びます。顧客はギブアップ制度を活用することにより、清算業務の集中、注文執行またはポジションの分散等が可能になります。
詳細については、以下のファイルをご参照下さい。
【3】ギブアップ制度PDF形式:231KB
TFXは厳しい清算参加者資格取得基準及び維持基準を設けるとともに、日々、清算参加者の信用リスクをチェックしています。万が一、清算参加者が破綻し、債務不履行に陥った場合を想定し,以下の順位により市場毎(金利先物等取引、証拠金取引)に当該損失を補填する仕組み(デフォルト・ウォーター・フォール)を整え、補填する財務資源を確保し決済システムの安定を図っています。
清算参加者は信認金、清算預託金について円現金のほか、代用有価証券により預託することができます。金利先物等取引では取引証拠金についても同様に代用有価証券による預託が行えます。預託可能な有価証券・評価掛目はこちらをご覧下さい。