T-CLEAR FXの仕組と意義

1. 店頭FX市場におけるカバー取引と決済の仕組

FX事業者は一般的に投資家との取引を自己ポジションとして引き受け、外為市場で金融機関と相対のカバー取引を行うことでリスクをコントロールしています。
FX事業者は多数の金融機関と行ったカバー取引を以下のような仕組を活用して特定の金融機関に集約し、担保の清算・決済の管理を行っています。(この仕組を「PBサービス」といいます)

店頭FX市場におけるカバー取引と決済の仕組

2. FXクリアリング市場におけるカバー取引の決済の仕組

FXクリアリング市場はこれまでのPBサービスの代替・補完をするもので、FX事業者が行うカバー取引の決済をより安心・安定的に行えるような仕組を提供することで、FX事業者の信用力を高めることにつながります。

FXクリアリング市場におけるカバー取引の決済の仕組

3. T-CLEAR FXの意義

FX事業者・金融機関の信用リスクの解消

FX事業者と個別の金融機関が相対でカバー取引を行う場合は、取引の当事者は互いに取引の相手方に対する信用リスクを負うこととなりますが、公的な清算機関であるT-CLEAR FX市場で清算される取引は、取引の相手方がTFXになるため、参加者であるFX事業者および金融機関は、互いに対する信用リスクを負いません。


損失補填制度によるセーフガード

万が一参加者が破綻等により支払い不能となった場合は、取引の相手方であるTFXが損失を受けることとなりますが、TFXはそのような事態に備え、各参加者から取引証拠金や清算預託金の預託を受けることに加えて違約損失積立金を積み立てています。違約損失積立金を超える損失は市場参加者が相互に損失を負担することで清算機関としての機能を守ります。
このような仕組を損失補填制度といいます。
T-CLEAR FX市場では、国際的な規制に基づく損失補填制度を備えておりますので、個々のFX事業者や金融機関のリスク削減のみならず、FX市場全体の決済リスク(システミックリスク)の解消にも資するものと考えます。


FX事業者・金融機関の信用リスクの解消

FX市場の決済の安定化と発展への寄与

PBサービスの代替となるT-CLEAR FX市場により、FX事業者にとってより安定したカバー取引の環境を確保することができますので、FX市場の一層の発展に寄与できると考えております。

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